ひび割れたタイヤは危険?劣化のサインと交換の目安を画像で解説!
タイヤにも寿命がある!交換時期の目安を知っていますか?

タイヤに鮮度があるってご存知ですか? タイヤは走らなくても劣化してしまうのです。
タイヤメーカーは、できるだけタイヤが劣化しないようにさまざまな工夫を施しています。その代表的な対策が、製造過程で注入される劣化防止剤です。
劣化防止剤はその名のとおりタイヤの劣化を防いでくれますが、時間の経過とともに徐々に揮発し、効果が薄れていきます。
さらに、以下のような要因でもタイヤの劣化が進みます。
- 空気圧不足
- 過荷重(路肩に乗り上げるなど、無理な荷重がかかるとタイヤを痛めます)
- 薬品(つや出し剤、油性タイヤワックスなど)
- 紫外線、熱
例えば、輪ゴムは時間が経つと硬くなり伸びなくなりますが、タイヤも同じように劣化していきます。
特に盲点なのが、タイヤワックスなどの薬品によるゴムの化学的劣化です。
洗車場でよく見かける艶出し剤の使用は、タイヤの寿命を縮める可能性があるので注意しましょう。
安全な走行のためには、適切なタイヤ交換が不可欠です!
タイヤ交換の目安は「タイヤの溝の深さ」と「経年劣化」
車のタイヤ交換の適切なタイミングを判断する重要なポイントは、タイヤの溝の深さと経年劣化です。
実はタイヤをよく見てみると、タイヤの溝には「スリップサイン」と呼ばれるタイヤ交換時期の目安となる印がついています。
新品のタイヤには一般的に7~9mm程度の溝がありますが、走行を続けると摩耗して溝が浅くなっていきます。そして、「スリップサイン」と溝が同じ高さになった時点で、溝の深さが1.6mm以下になっていることを意味します。
一箇所でもこの状態になっている場合、法律で定められた安全基準を満たさず、車検にも通らなくなるため早めの交換が必要です。

また、タイヤは走行距離に関係なく、時間とともに劣化します。一般的に3~4年経過するとゴムが硬くなり、ひび割れが発生することがあります。
ひび割れが進行するとバースト(破裂)を引き起こす可能性があるため、タイヤ交換の目安として4年前後での交換をおすすめします。
- スリップサインが表面に現れたら、交換が必要!
- 走行距離に関係なく、適切な交換時期は4年前後です!
スタッドレス(studless=鋲のない)タイヤは、冬季の雪道や凍結路面で安全な走行を可能にするために開発された特殊な冬用タイヤのことです。従来のスパイクタイヤと異なり、金属製のスパイクピンを使用せず、ゴムの柔軟性や特殊なトレッドパターンで雪や氷上でのグリップ力を確保します。そのため、雪道や凍結路面での安全運転には欠かせません。
スタッドレスタイヤには「スリップサイン」とは別に「プラットフォーム」という目印があります。この目印はトレッド溝の半分の高さに付けられており、溝の深さが半分以下になると雪上性能が低下するため、冬用タイヤとしての使用が認められなくなります。
それ以降はサマータイヤとしての使用しかできなくなります。また、サマータイヤとして使用したとしても、スタッドレスタイヤの雨に滑りやすいという特長は変わらないので、ご注意ください。
定期的なタイヤチェックをおすすめします!
「タイヤの寿命=走行距離」と思っていませんか?たしかに長距離を走ればそれだけタイヤも摩耗しますが、実は走行環境や運転の仕方によってタイヤの消耗具合は大きく変わります。
たとえば、高速道路のような直線的な走行が多い場面では、タイヤへの負担は比較的軽めです。一方で、住宅街の細い路地でのカーブや車庫入れなど、ハンドル操作が頻繁に必要な運転はタイヤに大きな負担をかけます。そのため、走行距離が短くても、タイヤが劣化していないとは限らないのです。
また、空気圧の不足やタイヤの種類・車種・気候条件などによっても、タイヤの消耗の程度には大きく差が出ます。だからこそ、定期的なタイヤのチェックをおすすめします。
タイヤ交換時期のチェックリスト
その1:製造年をチェック

タイヤの側面には、世界各国共通で製造された年と週を示す刻印があります。この刻印は、通常アルファベットと数字の組み合わせになっており、数字の最初の2桁が「製造週」、続く下2桁が「製造年」を表しています。
例えば「3818」と刻印されていた場合、2018年の第38週(9月頃)に製造されたことを意味しています。

タイヤの寿命は使用状況や保管環境にもよりますが、一般的には製造から約5年が交換の目安とされています。たとえ溝が残っていても、ゴムの劣化が進むと、雨の日にタイヤが滑りやすくなったり、ひび割れが原因で空気漏れやバーストの危険性が高まります。また、ブレーキ性能も低下し、走行中の安全性に影響を与える可能性があります。
タイヤの製造年を定期的に確認し、必要に応じて早めに交換を検討しましょう。中古車を購入した際や、スタッドレスタイヤを久しぶりに使用する場合も、タイヤの製造年を確認することをおすすめします。
その2:スリップサインの確認
溝が1.6mm以下になっていたら、即交換を!
車のタイヤ交換のタイミングは、溝の深さが重要な判断基準となります。特に、タイヤの溝が1.6mm以下になると、安全面からも交換が必須です。
実は、タイヤの溝には「スリップサイン」というタイヤの交換時期が近づいていることを知らせてくれる印がついています。
このスリップサインが表面に現れている場合は、早めの交換が必要です。溝の深さが1箇所でも1.6mm未満になると、法律で整備不良として扱われ、走行が禁止されることになります。
また、タイヤの溝は走行距離が約5,000km進むごとに1mm程度摩耗すると言われており、新品タイヤの溝(7mm~9mm)から計算すると、走行距離およそ30,000kmが交換を検討する目安となります。
その3:ひび割れや偏摩耗の確認
タイヤのひび割れチェックは側面を確認!
タイヤにひび割れがある状態で走行を続けると、走行中にタイヤが破裂し、大事故を引き起こす可能性があります。ひび割れは特にタイヤの側面に現れやすいため、側面部分をよく確認することが重要です。
また、タイヤのひび割れは、車の使用頻度に関わらず時間の経過とともに発生することが多いため、特に長期間車を使用していない方は、走行前にタイヤのひび割れをチェックすることを強くおすすめします

出典『タイヤ安全ニュースNo.72 JATMA』
偏摩耗が進むと、乗り心地が悪くなります
「偏摩耗」とは、タイヤのトレッド(路面との接地面)が道路条件や使用状況によって、部分的に異常に摩耗する現象です。

特に、車重が重いミニバンでは片べり摩耗、空気圧が足りないと両肩べり摩耗、逆に空気圧が高すぎるとセンター摩耗が起こりやすくなります。これらの偏摩耗が進行すると、振動や騒音の原因になるだけでなく、タイヤの寿命が短くなり、排水性などのタイヤ本来の性能が低下するリスクも高まります。
ただし、片べり摩耗が発生した場合は、新品タイヤに交換せず、タイヤのローテーションを行うことで改善されることもあります。
タイヤの空気圧は、安全な走行とタイヤの寿命に直結します。適切な空気圧の維持が、偏摩耗やその他の問題を防ぐ鍵となります。
その4:タイヤの変形をチェック

通常、タイヤは綺麗なドーナツ型をしていますが、使用状況によってはタイヤが変形してしまうことがあります。このような変形が発生した場合、ほとんどはタイヤの交換が必要となります。代表的な変形例として、「ピンチカット」と呼ばれるものがあります。
ピンチカット(Pinch Cut)は、タイヤの横側に現れる盛り上がったような変形のことを指します。この変形は、タイヤ内部のワイヤー(カーカスコード)が切れ、空気圧によってタイヤ表面が膨らむことで起こります。
ピンチカットの原因は、縁石に強く乗り上げた衝撃などです。タイヤ内部のカーカスコードが切れているため、走行を続けるとタイヤがバーストする危険性が高くなります。
走行中は空気圧が抜けることなく、あまり変化を感じることはありませんが、この状態で走行を続けるとタイヤが破裂する可能性があり大変危険です。
修理は不可能なため、早急にタイヤを交換する必要があります。
タイヤの変形は、使用年数や走行頻度に関係なく、新品のタイヤでも発生することがあるため、ご注意ください。
タイヤの寿命を延ばすには、空気圧点検などの定期的なメンテナンスが大切です。日頃からこうしたチェックを行うことで、タイヤが長持ちしやすくなります。
補足:タイヤを長持ちさせる秘訣は「空気圧管理」!
タイヤはできるだけ長く、安全に使いたいものですよね。そのためには、交換後のメンテナンスが欠かせません。中でも、タイヤの寿命を大きく左右するのが空気圧の定期点検です。
空気圧が車両指定値を下回った状態で走行を続けると、タイヤが早く摩耗してしまい、寿命が短くなる原因になります。特に、自然に少しずつ抜けていく空気(自然漏れ)を考慮すると、こまめなチェックが必要です。
理想的な空気圧の管理としては、最低でも月に1回の点検を行い、必要に応じて調整することが推奨されます。また、タイヤの劣化や偏摩耗を防ぐために、車両指定空気圧より10~20kPa(0.1~0.2kgf/cm²)ほど高めに設定するのが効果的です。
正しい空気圧を維持することで、タイヤの寿命を延ばすだけでなく、燃費の向上や安全性の確保にもつながります。タイヤを長く快適に使うためにも、月に一度の空気圧チェックを習慣にしましょう。
安全で快適なドライブのために、定期的なタイヤ点検をお忘れなく!
「そろそろタイヤの交換時期かな?」と感じたら、お気軽に【タイヤフェスタ】までご相談ください!